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2015年8月17日 (月)

「侵略」を盛り込み内閣支持率を上げた戦後70年首相談話

                          2015817  上出(かみで) 義樹

 

真摯な「おわび」の気持ちないままキーワードだけ列挙

安倍晋三首相は戦後70年談話を814日に発表した。「何のために出したのか」。翌15日付朝日新聞社説のこのタイトルに私も同感である。「村山談話」にあった「侵略」や「植民地支配」などのキーワードは、引用などの形で一応、列挙さえているが、朝日の社説にもあるとおり、日本の首相としての真摯な「おわび」の気持ちは全く感じられず、出すべきではなかったと思えるからである。とはいえ、首相談話を一刀両断すれば済むほど、事は単純でない。

共同通信の世論調査では「評価する」が多く内閣支持率も40%台に回復

共同通信社が1415両日に行った緊急の全国電話世論調査によると、首相談話を「評価する」との回答は44%で、「評価しない」の37%を上回り、内閣支持率が7月の前回調査の37%から43%に回復している。安全保障法案への反対は62%、内閣不支持率も46%と、依然高いものの、この調査結果を見る限り、安保法案なども絡み世論に追い込まれ、迷走の末に支持率回復を狙った首相官邸の「侵略」作戦はある程度成功したとも言える。

安保法制に批判的なメディアの踏ん張りどころ

海外メディアは首相談話に総じて批判的だが、読売や産経両紙などは「歴史の教訓胸に未来を拓こう」(読売15日付社説)と、日ごろの論調同様に安倍首相を強力に後押ししている。安保法制をめぐる参議院の論戦も再び動き出すなか、同法案に批判的なメディアの踏ん張りどころである


(かみで・よしき)北海道新聞社で東京支社政治経済部、シンガポール特派員、編集委員などを担当。現在フリーランス記者。上智大大学院博士後期課程(新聞学専攻)在学中。

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