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2016年2月29日 (月)

読売新聞の軽減税率「開き直り」社説は恥の上塗り

                                    2016229 上出 義樹

 新聞の優遇は政権との「癒着の産物」なのに本当のことは棚上げ

10日ほど前になるが、気に掛けながらまだ取り上げていなかった記事がある。読売新聞の220日付社説。「新聞の軽減税率 公共財の役割に理解広げたい」とのタイトルが付いている。「水道や電気代ではなく、なぜ新聞だけが食品と同じ扱いになるのか」と、インターネット上などで批判が渦巻いた消費税軽減税率の新聞代への適用を改めて正当化しているが、相変わらず新聞業界の我田引水ぶりが目に余る。無理な説明はやめて、「安倍晋三政権とマスコミの癒着の産物です」と、そろそろ本当のことをはっきり言ってはいかがか。


低所得者対策にならない軽減税率適用を美辞麗句で正当化

読売のこの社説は、民主党などの野党が衆院予算委員会で「新聞だけが必需品ではない」「水道料金やNHKの受信料などを、なぜ軽減対象としないのか」と批判していることに対し、「新聞は、民主主義と活字文化を支える重要な社会基盤の一つ」「単なる消費財ではなく、豊かな国民生活を維持するのに欠かせない『公共財』と認識されている」と反論。麻生財務相が国会で「日常生活における情報媒体として、全国あまねく均質に情報を提供し、幅広い層に日々読まれている」と答弁していることなどを紹介している。しかし、皮肉なことに最近の各種調査では、低所得層の多くは新聞を購読しておらず、低所得者対策としては全く辻褄が合わない。


マスコミとの会食を釈明する安倍首相と二人三脚で野党にホコ先

ところが、読売の社説は、「疑問なのは、野党が、安倍首相とマスコミ関係者の会食が多いとして『一緒に飯を食べているから軽減税率をしていると思われても仕方ない』と追及したことだ」と野党にホコ先を向け、首相が「新聞社だけでなく、フリーのジャーナリストにも会っている」などと反論していることを持ち出して、「(政権が)新聞社に手心を加えているとの勘ぐりは、全くの的外れである」と、開き直っている。政権との「癒着の産物」であることが見え見えの軽減税率適用には新聞社内からも「国民に恥ずかしい」との声が聞かれるなか、安倍首相の代弁までする読売社説はまさに、恥の上塗りと言うべきか。

 

(かみで・よしき)北海道新聞社で東京支社政治経済部、シンガポール特派員、編集委員などを担当。現在フリーランス記者。上智大大学院博士後期課程(新聞学専攻)在学中。

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