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2016年12月19日 (月)

日ロ首脳会談の「大失敗」を取り繕う翼賛報道

20161219日   上出 義樹

 


 日本の「完敗」を糊塗する報道は自己規制の極み

安倍晋三政権が鳴り物入りで北方領土返還の期待を煽った121516日の日ロ首脳会談は結局、領土問題で全く進展がなく、日本側の完敗に終わった。ところが、全国紙やNHKなどは安倍政権の顔色を窺うように、外交上の「大失敗」を取り繕う紙面や特別番組を展開。いつもながらの日本的な翼賛報道はまさに、自己規制の極みとしか言いようがない。


 見え見えの茶番劇に映像で「演出」を施したNHK

今回の首脳会談は、プーチン大統領が会談の前から「領土問題は存在しない」と公言。4島返還の期待が完全にしぼんだにもかかわらずNHKは、約束の時間より2時間40分も遅れて専用機で到着したプーチン大統領の山口入りのシーンを30分余にわたりライブ中継するなど、見え見えの茶番劇に映像でそれらしく演出を施し、安倍首相に精いっぱいの媚を売った。


  「領土交渉進展なし」の
全国紙の見出しは控えめ

一方、全国紙は2日間の会談をどう伝えたか。17日付の各紙はいずれも、領土交渉に進展がないことには触れているが、読売や産経などは、「『領土』解決へ重要な発射台だ」(同日付の読売社説)と、安倍政権を懸命に後押し。朝日も、社説では日ロ両国の「あまりに大きな隔たり」と強調しているが、1面では「領土交渉は進展なし」の見出しを脇に置き、日本の大手企業が逃げ腰の「北方四島での共同経済活動」を主見出しに掲げるなど、全国紙の習い性とも言えるご祝儀紙面。毎日なども首相の顔を立てるような同じパターンの紙面作りだった。

 
 「メディアは“北方領土返るぞ詐欺”に加担」との厳しい指摘も

プーチン大統領が欧米と日本の間にくさびを打ち込むことにまんまと成功した観がある今回の首脳会談。日ごろ、安倍政権に厳しい視線を向ける日刊ゲンダイは、「NHK以下、国内メディアは安倍サマの“北方領土返るぞ詐欺”に加担してきた」と、首相と新聞・テレビをばっさり斬り捨てている。

 
(かみで・よしき)北海道新聞社でシンガポール特派員、編集委員などを担当。現在フリーランス記者。上智大学メディア・ジャーナリズム研究所研究スタッフ。

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