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2017年2月13日 (月)

日本の対米追随ぶりを際立たせた米国版「命のビザ」

2017213日  上出 義樹

排他的な大統領令を黙認する安倍首相

 安部晋三首相とドナルド・トランプ大統領による鳴り物入りの日米首脳会談がワシントンで開かれる前日の29日(現地時間)、日本の高等裁判所に当たる米連邦控訴裁が、同会談に冷や水をかけるような決定を行った。米連邦地裁の決定を維持する形で、イスラム圏7カ国の国民らの入国を一時的に禁止する大統領令の効力を停止する判断を示したのである。

 欧州主要国の首脳らが排他的な大統領令を厳しく批判しているのに対し、10日の日米首脳会談後の共同記者会見で米国人記者から大統領令への所見を質問された安倍首相は「内政問題なのでコメントを差し控える」と、国会答弁同様のダンマリ戦術。こうした大統領令の「黙認」により、日本の対米追随ぶりを余計に際立たせる結果となった。

 入国を拒否された人々が裁判所により救済

 米連邦裁判所の一連の決定は、いったんは入国を拒否された人々にとって、まさに「命のビザ」。米国の永住権を持ちながら家族のもとや職場に戻れない大統領令対象国の国民らを救済した。しかし、国内外の批判に耳を貸そうとしないトランプ大統領は新たな入国規制措置を用意しているといい、「命のビザ」の行方が懸念される。そんな中で行われた日米首脳会談に対し米国のメディアは、安倍首相の異様な「トランプ追随」もあってか、総じて白けムード。ネット上の主要ニュースサイトを含め、大々的に報じられる入国禁止問題に埋没するように、同会談は地味な扱いだった。

 「トランプ追随」の日米首脳会談をヨイショする全国紙

 これに対し、日本の全国紙は安倍首相に媚を売るようないつもながらのご祝儀紙面。社説や解説記事では、入国禁止の大統領令にコメントしない安倍首相を批判している朝日新聞も、同会談の第一報となる212日朝刊1面のトップ記事は、「尖閣に安保 共同声明」「日米首脳、同盟強化を確認」など、安倍政権を後押しするような見出しが並ぶ。

 沖縄の2紙は「対米従属」の核心を突く紙面作り

 その点、沖縄の2紙は「辺野古唯一許されない」(琉球新報)、「強まる『対米従属』の懸念」(沖縄タイムス)との見出しが付いた社説を含め、同会談の核心を突く紙面作り。いたずらに内閣支持率を上げるような全国紙の紙面とは大違いだった。

 

(かみで・よしき)北海道新聞社でシンガポール特派員、編集委員などを担当。現在フリーランス記者。上智大学メディア・ジャーナリズム研究所研究スタッフ。

 

 

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