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2017年10月30日 (月)

政治記者が明かす官房長官会見の「質問封じ」

                          20171030日  上出 義樹

 


 全国紙の記者が長官会見の舞台裏を報告

日本マス・コミュニケーション学会の秋季研究発表会が1028日、成城大学で開かれ、私が問題提起者になったワークショップ(分科会)「安倍政権下で強まる中央省庁の取材規制」で、ゲスト参加した全国紙の政治部記者が、菅義偉官房長官会見の実態について報告。じわじわ強まる「質問封じ」の舞台裏などをリアルに語ってくれた。

 

馴れ合いの空気を鋭い追及で一変させた女性記者

毎日朝夕2回、首相官邸で開かれる菅長官の定例記者会見は、お行儀のよい官邸担当記者たちが長官を厳しく追及せず、政府に都合の悪い質問には菅長官が木で鼻を括ったような対応でお茶を濁すスタイルが定番になっていた。しかし、この6月、東京新聞社会部の望月衣塑子(いそこ)記者が同会見に参加し、加計学園問題などで鋭い質問を繰り返すようになって空気が一変したことは、ネットメディアのニュースを含めよく知られている。

 

首相官邸はうるさ型の記者の質問を事実上制約

今回、ワークショップで報告した全国紙記者は、政治部所属ながら首相官邸の担当ではなく望月記者同様に、官邸スタッフにとってはいわば「部外者」。望月記者の質問に、「未確定な事実や単なる推測に基づく」などとして9月初めに文書で異例の抗議をした首相官邸は、その後も「部外者」たちに対しあの手この手で「質問封じ」を続け、「私や望月さんに何度も質問させないように公務多忙を理由に会見を早めに打ち切ったりする」と、全国紙記者は会見の内情を明かす。

 

日本のマスメディアの根深い翼賛体質

なんと、こうした一部記者への差別的な扱いを、本来の主役である官邸担当記者たちは「内々で官邸と合意している」というのだ。これでは「第2の望月記者」は生まれ難い。「親安倍」メディアによる望月記者攻撃を含め、日本のメディアの翼賛体質は、根が深い。

フリーランスの記者が金曜日しか官房長官会見への参加を許されていないなかで、国民の知る権利を担う新聞やテレビは、うるさ型の記者の「排除」ではなく、国民への説明責任がある政府首脳と体を張って真剣勝負し、徹底追及することはできるのか。官邸担当記者の本気度が問われている。

 

(かみで・よしき)北海道新聞社で編集委員などを担当。現在フリーランス記者。上智大学メディア・ジャーナリズム研究所研究スタッフ。

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