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2018年2月 5日 (月)

名護市長選の基地容認派勝利で安倍政治の暴走加速が心配

                                            201825日   上出 義樹

 

 

辺野古の米軍基地建設に反対する稲嶺市長3選ならず

注目の沖縄県名護市長選は4日、投開票され、同市辺野古の米軍基地建設に反対する現職の稲峯進市長が、安倍晋三政権の与党の自公両党などが推す基地容認派の渡具知(とぐち)武豊氏に苦杯をなめた。沖縄での米軍ヘリの事故・トラブル続発で野党の批判にさらされていた安倍政権にとって、鬼門の名護市長選に勝利した意味は大きい。昨秋の衆院選で自公合わせ3分の2の議席を突破した政権与党は、国政全般でも弾みをつけそうだ。

 

自公の組織選挙を反映してか過半数が期日前投票

今回の名護市長選投開票結果は、投票率がほぼ前回並みの7692%。初当選した渡具知氏が2389票、民進や共産などが推薦し、立憲民主が支持した稲嶺氏が16931票で、3458票と予想外の大差がついた。興味深いのは、期日前投票と不在投票が投票総数の過半数を上回る21660票もあったことで、この数字は有権者数全体の44%にも当たり、自公両党が、支持固めをした票を逃さないように囲い込んだことが読み取れる。

 

渡具知陣営は基地問題に触れない徹底した「争点隠し」

沖縄タイムスの25日付電子版などによると、渡具知陣営は基地問題に一切触れない徹底した「争点隠し」に終始。稲嶺氏は涙声で市民の「辺野古疲れ」を敗因に挙げた。その一方、自民党は米軍基地容認の見返りとして名護市への交付金支給をちらつかせるなど利益誘導的な選挙戦を展開。「基地は経済発展の邪魔になる」と訴えてきた翁長雄志沖縄県知事は「争点はずしは残念」「中央の組織は強い」と、厳しい結果に沈痛な表情を見せた。

 

米軍ヘリの飛行容認だけでなく国民不在の政治増長か

「基地反対」の後ろ盾を失った翁長知事ばかりでなく、中央政治にも影響が出そうだ。勢いづく安倍政権は沖縄での米軍ヘリ飛行再開の容認のみならず、保守系メディアの後押しも受け、国政全般で国民不在の暴走政治をさらに加速しかねない。

 

 

(かみで・よしき)北海道新聞社で編集委員などを担当。現在フリーランス記者。上智大学メディア・ジャーナリズム研究所研究スタッフ。

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