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2018年4月22日 (日)

女性記者セクハラ問題 報道検証の肝はこれだ

                                  2018423日   上出義樹                                                      

手をこまねく新聞やテレビに代わりミニ検証

福田淳一財務次官の女性記者セクハラ問題で主要メディアは、当のテレビ朝日を含め、ジャーナリズムの原則に立った検証を行い、今回のセクハラ問題の本質を分かりすく読者・視聴者に示そうとの姿勢が依然、全く感じられない。そこで僭越ながら、私(上出)がマスメディアに代わって、女性記者セクハラ問題の報道のミニ検証を試みた。

 

問題の核心は被害者が公共的使命担うメディア企業の社員である点

今回のセクハラ問題の肝は、被害者が取材源秘匿の責任を負うメディア企業の社員でもあり、そのメディアは公共的な使命を担っていることである。この論点さえ押さえていれば検証は比較的容易なはずだ。ところが、新聞やテレビは福田次官の追及や財務省批判などをほとんどワイドドショー的なノリで報道し、この特異な問題の核心を突く報道がない。

 

読者・視聴者に今回の特異なセクハラ問題の本質が分かる情報を

教養人で知られる俳優の石坂浩二氏が21日のテレビ朝日のニュース番組で、「今回のセクハラ問題は、実は何が何だかよくわからないところがある」と感想を語っている。おそらく生煮えの捉え方が多い読者・視聴者が、今回のセクハラ問題の特殊性を理解するのは難しいかもしれない。しかし、報道機関はこの問題をメディア全体の重大事態と受け止め、上記の論点などを分かりやすく整理した検証、あるいは最低でも解説を示す責任がある。

 

テレビ朝日の「取材源秘匿」の大原則逸脱なども平易に説明できるはず

多くの民間企業で被害女性がなかなか名乗り出られないセクハラ問題の罪悪性や全体状況と同時に、「自局で放送すべき」とする女性記者に待ったをかけ、セクハラの音声データを結果的に記者が他のメディア(週刊誌)に情報提供して、ジャーナリズムの大原則である「取材源の秘匿」を逸脱したテレビ朝日の過ちなど、大切なポイントを主要メディアなら、その気さえあればきちんと説明できるはずだ。

 

検証に背を向ける報道機関は国民の知る権利に対する怠慢

ただ、他社が絡むこの種の問題には深入りしないとの悪しき風習が日本のマスメディアには強い。もし、何もしないようなら国民の知る権利に対する怠慢と、言わざるを得ない。

 

 

(かみで・よしき)北海道新聞社で編集委員など担当。現在フリーランス記者。上智大学メディア・ジャーナリズム研究所研究スタッフ。

 

 

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